タイのゴルフ場でのWin-Winの関係
日本でのゴルフも最近ではかなりリーズナブルな料金でプレイが出来るようになりましたが、一昔前にはかなり贅沢なスポーツ、いや娯楽と見られていました。そんな時代に海外勤務をしていた私は、アジア各国でゴルフを楽しんだ経験がありますが、やはり料金的には日本が一番高いと感じたものでした。
勿論ゴルフ場の格にもよりますが、当時日本で平日1万5千円クラスのゴルフ場と同程度のゴルフ場でもタイのバンコク郊外では5~6千円位でしたし、タイでももっと田舎に行けば4千円程度でプレイ出来るゴルフ場も沢山ありました。その料金にはプレイ代と、一人に一人付くキャディー代も含まれていますので、追加の出費は自分に付いたキャディーに支払う1,000円程のチップだけであり、トータル5千円程で楽しむことが出来るのです。
その安さから、日本からゴルフツァーでタイまで来るゴルフ好きの日本人達も多く、その中には、キャディーの他に、暑い日差しを避ける為の「傘持ち用のキャディー」をもう一人付ける人もいました。それどころか、暑さで疲れるからと「椅子持ち用のキャディー」をもう一人、合計3人のキャディーを伴う人さえもいました。
これを一組4人のプレーヤー全員が行うと合計16名となり、そのご一行様がホールからホールへと移動する光景を見ていると、正に「バカ殿様の行列」を思い出してしまうのは私だけではなかったようです。
そんなタイのゴルフ場、特に田舎のゴルフ場では、日本では有り得ないことが普通に行われていました。そしてそれは最近里帰り的にタイに行った時にもまだ行われていました。その有り得ないこととは、池ポチャとなるボールを池の中で待ち構えている河童のような人達がいることです。
その河童さんは、一つの池に2・3人いる場合もあり、池に飛び込んできたボールを早い者勝ちで取り合うのです。およその位置を足で探し当て、潜って拾い上げると直ぐにそのボールを持った腕を突き上げ、近づいてくるプレーヤーに「ここに有ったよ」とばかりにその腕を振って知らせるのです。
何と親切なゴルフ場だろうと思い、そのボールを受け取ろうと近づくと「これは自分が見つけたボールなので自分のモノだから売ってあげる」と言わんばかりにチップ(代金?)を要求するのです。その金額はせいぜい30~60円程度ですが、彼らにとっては2個も売れば安い昼食が食べられる金額であり、高価なニューボールを池ポチャした場合はゴルファーにとってもありがたい話なので互いにWin-Winなのです。